環境・気象・植物計測機器

SC-1 リーフポロメーター
気孔コンダクタンス測定装置

気孔コンダクタンスは複雑。しかし、測定は複雑である必要はない。 土壌-植物-大気の連続体における測定の大部分は非常にシンプルです。しかし、気孔コンダクタンスの測定はそうではありません。理論からの予測が不可能な気孔コンダクタンスは測定が不可避なことから、使い勝手の良い装置が必要になります。SC-1リーフポロメーターをご紹介しましょう。

複雑な科学をシンプルなパッケージに

確かな科学理論と15年にわたる研究に裏打ちされたSC-1は、複雑な問題をシンプルに解決するよう設計されています。気孔を通して葉から排出される水蒸気のフラックスを測定することで、蒸散している葉と気孔が閉じている葉の違いを見分けることができます。測定が迅速で、使いやすく、リーズナブルなSC-1は、予算を圧迫することなく、より多くの測定をより短時間で行うことができます。

正確な測定を迅速に

SC-1は、わずか30秒で葉のコンダクタンスを正確に測定できるだけでなく、数分でキャリブレーション(校正)できます。キャリブレーションが完了したら、測定したい葉をクリップで挟むだけで気孔コンダクタンスの測定を始められます。

納入実績

信頼性を重視した設計 迅速な測定。使いやすいエンジニアリング。短期的にも長期的にも低コスト。この3つを兼ね備えたリーフポロメーターで、時間、手間、費用を節約しましょう。SC-1の画期的な定常手法テクノロジーは、気孔コンダクタンス測定におけるNo.1の選択肢となっています。

現場対応ソリューション

SC-1の特長は、扱いが楽だということです。まずはその軽さ。現場で(あるいは首から下げて)持ち運んでも疲れません。さらに、画期的な定常技術を採用しているために可動部がなく、使いやすく信頼性が高いです。さらに、キャリブレーションが簡単で、測定値は葉の蒸気コンダクタンスまたは抵抗値としてモニターに表示されます。測定データは本体に保存されますが、PCにダウンロードすることもできます(USBケーブルと専用ソフトウェアが付属)。

ローメンテナンスでコストがかからない

SC-1はリーズナブルな価格で購入できるだけでなく、ローメンテナンスな装置であるため、ポンプが壊れたり、シールが劣化したりしても、修理のために予算を使い続ける必要がありません。これらが相まって、短期的にも長期的にもコストの節約につながります。

特長

  • 正確
  • 測定が速い(30秒)
  • キャリブレーションが容易
  • 価格が手ごろ
  • 可動部品が無い
  • 軽量で持ち運びが容易
  • データの保存とダウンロードが可能(USBケーブル、専用ソフトウェア付属)

技術仕様

測定仕様

気孔コンダクタンス
範囲 0~1000mmol/(m2s)
分解能 0.1mmol/(m2s)
精度 ±10% (0~500mmol/(m2s)
注:SC-1は500mmol/(m2s)を超える測定が可能で、高域での相対的な気孔コンダクタンス変化を検出できますが、絶対精度は500mmol/(m2s)を超えると検証できなくなります。
測定時間
30秒

物理的仕様

寸法
長さ 15.8cm
9.5cm
高さ 3.3cm
センサー口径
6.35mm
センサーケーブルの長さ
1.2m
電源
単3乾電池 x 4本
データ保存
フラッシュメモリに4095回分の測定データを保存
電池寿命
2年(スリープモードでのバッテリー消耗は50μA未満)
センサーヘッド寸法
長さ 12.0cm
2.5cm
高さ 5.5cm
動作温度範囲
最低 5℃
最高 40℃
動作相対湿度範囲
最低 1%
最高 100% (乾燥剤チャンバー使用)
PC接続
serial to USB

その他

コンプライアンス
EM ISO/IEC 17050:2010 (CE Mark)

ダウンロード

取扱説明書(英語)
SC-1 Leaf Porometer Utility ソフトウェア インストーラー
ファームウェアアップデーター(Ver. 2.00) ※乾燥剤付きセンサーヘッド
ファームウェアアップデーター(Ver. 1.33) ※乾燥剤なしセンサーヘッド
リーフクリップ交換手順(PDF)

関連動画

「SC-1 のキャリブレーション方法」
「SC-1 の修理・メンテナンス方法」

よくある質問

ブドウ園でSC-1を使用する際の最善の方法を教えてください。
記事「SC-1: best practices for measuring vineyard stress」をご参照ください。
SC-1は針葉や細い葉にも使用できますか。
針葉や小さな葉を測定する場合は、下図のようにセンサーに挿入してください。これは、1本の針葉や小さな葉(草の葉を含む)ではセンサーの開口部を十分にカバーできないことがあるためです。

正確に測定するためには、拡散経路の断面積全体が葉で覆われていることが重要です。植物から葉/針葉を取り除き、拡散経路の開口部上に並べて配置する必要がある場合もあります。葉/針葉を植物から取り除いてから2分以内に測定を完了すれば、正確な測定となります。
断面が正方形や三角形で、厚壁組織を持つ針葉は、チャンバーの密閉性を妨げるため、SC-1では測定できない場合がありますのでご注意ください。トウヒ属の針葉は、SC-1の測定に不向きな針葉の良い例ですが、モミ属によく見られる扁平でしなやかな針葉は、非常にうまく機能します。
測定にはどのぐらい時間がかかりますか。
SC-1の1回の測定時間は30秒です(オートモード)。測定間の相対湿度が10%未満になるまでの時間は様々ですが(例えば30~90秒)、センサーヘッドを振って90秒以上かかることはありません。測定と測定の間にセンサーヘッドを振って90秒以上かかる場合は、乾燥剤が青色でないかを確認してください(商品名:Drierite 10~20メッシュの場合)。問題が解決しない場合は、測定チャンバーと乾燥剤を分離するテフロンフィルターを交換し、ポロメーターヘッドのゴム製シールを点検してください。
測定期間中、葉のコンダクタンスが(自動測定期間中に通常起こるように)増加するのではなく、ゼロに向かって減少した場合、何をチェックすればよいでしょうか。
測定画面の単位がm2s/mmolやs/mではなく、mmol/m2sになっているか再確認してください。
クランプを外して測定(果物や木の幹の測定など)する場合、SC-1の拡散経路は水平になってもかまいませんか?
ビーズが拡散経路にある場合は、水平になるのは避けてください。ビーズは、乾燥剤を保持する多孔性プラスチック膜(テフロンディスク)の上にとどまっている必要があります。そうでなければ、2つの蒸気圧センサー間の1次元蒸気拡散の仮定に反する可能性があります。拡散経路は完全に垂直である必要はありませんが、ビーズが邪魔にならない程度に垂直である必要があります。
リーフポロメーター用センサーヘッドの乾燥剤として、Drieriteの代わりにシリカゲルを使用できますか?
シリカゲルは使えます。ただし、Drieriteほど長持ちはしませんし、また同様に素早く乾燥しません。Drierite乾燥剤の代わりにシリカゲルを使用することは可能ですが、シリカゲルは頻繁に交換する必要がありますし、センサーヘッドを振る時間も長くなる可能性があることをご了承ください。非表示型のDrieriteも使用できます。安全で、Drieriteと同様に機能するはずです。10-20メッシュサイズを使用してください。
現場で測定を行う場合、SC-1はどれくらいの頻度で校正する必要がありますか?
測定精度は、毎日、または現場の状況が変化した後に確認してください。これは、校正プレートと湿らせたろ紙を使用して行います。測定値が予想される範囲から外れた場合は、再校正を行ってください。現場で校正する場合、強い風が吹くとろ紙が早く乾いてしまうため、風を避けられる場所で校正を行ってください。校正プレートが早く乾燥しないようにSC-1ケースを使用して校正プレートを保護し、また、校正ポイントの間に校正プレートを逆さまにして、早く乾燥しないようにしてください。新しい乾燥剤を用意し、必要なメンテナンスを行っている限り、SC-1システムは安定した環境で校正できるはずです。センサーヘッドを別のSC-1コントローラに取り付けた場合は、再校正が必要です。センサーヘッドの校正機能はコントローラ機器に保存されているからです。
SC-1にはどのような校正用ろ紙を使用すればよいですか?
Whatman#3ろ紙を使用し、穴あけパンチを使って正しいサイズのディスクを作ってください。異なるタイプのろ紙を使用する場合は、Whatman #3ろ紙で代替ろ紙が期待される結果と同じであることを確認してください。
ケーブルアダプターを使用してSC-1がコンピュータに接続できない場合はどうすればよいですか?
  1. METER USBドライバーをダウンロードします。
  2. リーフポロメーターユーティリティをダウンロードします。
  3. SC-1コントローラとPCをシリアル-USBケーブルアダプターで接続します。
  4. SC-1コントローラの電源を入れ、ユーティリティを開き、ドロップダウンメニューから適切な通信ポートを探します。
  5. Download を選択します。
新しい乾燥剤はどこで購入できますか?
乾燥剤はDrierite 10~20メッシュです。METERまたは他のサプライヤーから新しい乾燥剤を購入することができます。
SC-1の校正に異常に時間がかかり(1時間以上)、校正を何度試みても失敗する場合はどうすればよいですか?
  1. 校正を行う前に、装置と校正用品を測定環境に10分以上静置してください。乾燥剤を交換し、SC-1 校正クイックスタートの校正手順に従ってください。
  2. 校正に失敗した場合は、テフロンフィルターを交換してから校正を試みてください。
  3. それでもうまくいかない場合は、メンテナンス動画に示されているクリーニングとメンテナンスを行ってから、校正を試みてください。
  4. それでもうまくいかない場合は、メータージャパン㈱に連絡してください。
ポロメータのメンテナンス後、スプリングを戻すにはどうすればよいですか?
センサーヘッドにスプリングをセットします。その後、短いピンを挿入してスプリングを固定します。
測定する前に 「initial conductance too high(初期コンダクタンスが高すぎます)」というメッセージが表示されます。これは正常なのでしょうか?
SC-1はすべての測定値の間に 「initial conductance too high 」というメッセージを表示します。 これはセンサーの正常な動作です。 センサーヘッドが次の測定を開始できる状態に戻るには、約30秒から1分半の振とうが必要です。 これは問題ではなく、センサーの設計の一部です。「initial conductance too high」というメッセー ジを消すには、チャンバーのRHが10%以下であり、気孔コンダクタンスが 0でなければなりません。このメッセージを受け取った場合、気孔コンダクタンスはまだ 0 ではないので、チャンバーを平衡化するためにセンサーヘッドを振り続ける必要があります。操作方法については、SC-1クイックスタート、SC-1校正クイックスタート、SC-1校正動画を参照してください。
新しいリーフポロメーターにビーズを入れる必要がありますか?
スクリーンとビーズが落ちない限り、ビーズを交換する必要はありません。 ポロメーターキットには予備のスクリーンが入っているはずです。 当社のメンテナンス動画をご覧ください。適切なビーズとスクリーンの配置でセンサーヘッドを再組み立てする手順を説明しています。
なぜSC-1センサーヘッドと拡散経路は測定時に垂直でなければならないのですか?
ビーズが拡散経路にある場合、ビーズは乾燥剤を保持する多孔性プラスチック膜に密着している必要があります。そうでなければ、2つの蒸気圧センサー間の1次元蒸気拡散の仮定に反する可能性があります。拡散経路は完全に垂直である必要はありませんが、ビーズが邪魔にならない程度に垂直である必要があります。
SC-1は正確な葉温データを提供できますか?
葉とセンサーヘッドはすぐに熱平衡状態になりますが、センサーが報告する温度は、環境と平衡状態にある葉の温度の適切な代理値とは限りません。クリップが葉の上に置かれると、クリップが葉をわずかに温める可能性が高いです。気孔コンダクタンスの測定では、これは重要ではありません。なぜなら、葉とチャンバーが同じ温度であることが重要だからです。しかし、その測定値を用いて蒸散量を計算したい場合には重要です。最適な葉温測定のためには、センサーヘッドを葉の上に置く前に、赤外線温度計を使って葉温を測定することをお勧めします。
なぜリーフポロメーターはLI-CORのように蒸散量を出力しないのですか?
SC-1リーフポロメーターは、水蒸気フラックスを測定して気孔コンダクタンスを求めます。しかし、SC-1のリーフチャンバーは葉に独自の環境を強いるため、チャンバーの定常蒸散量は環境の定常蒸散量と大きく異なる可能性があります。これは、気孔コンダクタンスでは30秒以内に測定されるため問題ありませんが、蒸散ではうまくいきません。SC-1で測定した気孔コンダクタンスから蒸散量を計算するには、独立した大気蒸気圧と葉温の測定値と葉の境界層コンダクタンスの推定値を組み合わせて使用することをお勧めします。

希望小売価格

¥860,000(税別)